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THEY DON'T CARE ABOUT US (1/3) ~マキシシングル図鑑~
【1/3】 歌詞論争と『HISTORY』    【2/3】 US盤、日本盤    【3/3】UK盤

お待たせしました!アルバム『HISTORY』からの、『THEY DON'T CARE ABOUT US』です。

チャート成績は、UKで最高位4位。チェコ共和国、ドイツ、ハンガリー、イタリアで1位を獲得しています。一方、本国アメリカでは、全米HOT 100で30位、R&Bシングルチャートで10位止まりで、苦戦気味にも見える数字かもしれませんが、これは良くも悪くも、過熱した論争(後で述べます)の影響を受けたものです。

さて、クイズの答えです
楽勝問題の1は、(1 ブラジル)、(2 プリズン)が入ります。どちらも監督はスパイク・リー。

2は、「ブラジル・ヴァージョン」撮影時のエピソードで、答えは、「オリンピック誘致への影響が懸念されたため」。当時、リオデジャネイロ当局には、悪名高きドナ・マルタ(Dona Marta または Favela Santa Marta)地区のスラム(貧民街)の様子が撮影されれば、2004年のオリンピック誘致に悪影響が出るのではないかという危惧があったといわれます。たしかに、「マイケル・ジャクソンのフィルム」というのは、そんじょそこらの歌手のPVとは比べ物にならない影響力があります。全世界で繰り返し放映され(しかも永久に)、リオや、ブラジルそのもののイメージを大きく左右するからです。
ブラジル・リオデジャネイロ、マイケル・ジャクソン像
ちなみに、ご存知の通り、リオは実際、2016年のオリンピック開催地に決定しています。接近して2014年のサッカーW杯もブラジルが開催国ということで、今日もまさに急成長の最中にあるわけですが、『They Don't ~』のショートフィルムによって世界の目が集まったドナ・マルタ地区の改善には、マイケル・ジャクソンが少なからず貢献している、という言い方は、まったく大げさなものではないと私は思います。
 
その証に!なんと彼は、今でも、あの丘の上からドナ・マルタの街並みを見守っています。
この銅像、マイケルを讃えて2010年に建てられたもの。かつては麻薬やギャングや汚職溢れる危険な街の代名詞だったこのエリア、現在、人気の観光スポットの仲間入りを果たしています。

「銅像が建つ」というのは、要するに「郷土の偉人」扱いですよね。フィルムでは怒りの表情のMJですが、地元の人々と世界中からの観光客の愛情を受けるこの像は、ちょっと笑顔。躍動感溢れる元気なポーズも良いじゃないですかー(笑)!像の近くには、ネヴァーランド国?発行のマイケル切手を模したカラフルな巨大モザイク壁画もあり、これがまたなんとも可愛らしい。オリンピックかW杯でブラジルに行く機会がある方は、忘れずに、笑顔のマイケル像にも会いに行きましょう!

真剣に行ってみたい方は Espaço Michael Jackson
マイケル像の建立を伝えるメディア記事 Estátua de Michael Jackson é inaugurada no Morro Santa Marta


さて、前述のとおり、この曲には多くの難しい論点があり、その一つ一つを研究していくことは、非っ常~に興味深く勉強になるものです。世界史、人権問題、現代政治、韻の踏み方からメディア論まで・・・・・・この1曲で研究書が1冊書けるほど、噛み応えのある歌です。

ですが!本を書き始めてしまうとこのコーナーがまた、何年も先に進めなくなってしまうので、あえて、ここでは全部説明しようとしないことにします。私自身がこの曲を初めて聴いたのは中学生の頃で、その頃は歌詞の意味もあまり理解できませんでしたし、人権について深く考えることもありませんでした。最初はただ、とんがったカッコいい曲だなー!マイケル、怒ってるなー!と思っただけでしたが、後から考えると、うんちく抜きで作品に直接触れてきて、それがすごく良かったようにも思います。知識は後で良いんです。

どこまでも深く研究をしたい方は、とりあえずウィキを入口にリファレンスを辿っていくもの手。
http://en.wikipedia.org/wiki/They_Don%27t_Care_About_Us

さて、マイケルの全作品のなかでも、「最も議論を引き起こした1曲」であると多くのファンが考えるこの曲。主な論点は、
・歌詞の問題・・・ユダヤ蔑称ワードをめぐる論争、マイケルの意図と対処
・ショートフィルムの問題・・・「プリズン・ヴァージョン」はMTV他で放送禁止に

そして、2012年の今でさえ、この曲は少しもエッジを失っていません。
・なぜマイケルにとって/我々にとって、この曲がこれほどまでに重要なのか

以上の点を踏まえながら、いざ、盤を見ていきます ・・・おっと、マキシシングルの前に、この曲だけは、まずはアルバム『HISTORY』をチェックしてみましょう。皆さんもお手元に、『HISTORY』のご用意を!



歌詞問題について。
この曲は、アルバム発売前から「人種差別的な内容を含む」と論争に。マイケルは何度も誤解を解くために製作意図の説明を試みますが、最終的には歌詞の一部を変更して再録音を行い、陳謝しました。

問題の部分は、

Jew me, sue me, everybody do me,
Kick me, kike me, don't you black or white me.

で、特に「kike」という言葉は、明らかにいわゆる「良くない言葉」、つまりユダヤ人(Jew)を意味する軽蔑的な響きを持つ口語です。これにユダヤ団体が、「人種差別的な歌詞である」と猛抗議。また、非ユダヤの音楽ファンの耳にも、「まさかマイケル・ジャクソンがそんな乱暴な言葉を歌うなんて」というショックが広がりました。

アメリカにおける人種差別問題がいかに複雑で根の深いものかは何度も書いてきましたが、この時期の「マイケル・ジャクソン」というのは、複雑の極みとも言える難しい立場にありました。彼自身が、かつてない「色白な黒人」と蔑まれる風潮のなか、ユダヤ団体を怒らせてしまった。地雷を──わざと踏みに行ったのかどうかは分かりませんが──爆発させたわけです。

マイケルの本来の意図としては、ユダヤの方々を蔑む気持ちは微塵も無かったことは言うまでもありません。

例えば、黒人ラッパーが、「ニガー(=黒人の蔑称)」などのキツい言葉を自らわざと使って、差別への怒りを表現することはよくありますよね。しかしこれは、「白人が黒人をニガーと呼ぶ」のとは、感情的にはまったく別物なわけです。

昔からユダヤ人の友人も多く、ユダヤのコミュニティへの親しみを感じてきたマイケルとしては、「自分自身がユダヤ人である」というつもりで、そのような激しい言葉を使って、彼らの痛みや怒りを「自らのもの」として表現したのですが・・・マイケルの性格を知っていて、マイケルの言い分をよく聞けば、彼の言っていることはよく分かるのですが、しかし、一般的にはいくら本人が「心はユダヤ人のつもり」と言っても、「でも実際違うじゃん」という感じで違和感があったし、単純に、「どんな意図にせよ、良くない言葉をマイケルには使って欲しくない」という意見も強かったと思います。

世論は厳しく、マイケルは声明を出し、作品の意図が間違った形で伝わり人の感情を傷つける結果となったことを謝罪。歌詞の変更と再録音を約束しました。

結果、アルバム『HISTORY』は、初期(95年)に流通したものと、訂正後(96年~)に流通したもので、『They Don't ~』中の歌詞がわずかに異なっています。あなたの『HISTORY』は、どっちだったでしょう?ちょっとした違いなので、耳でよーく聴いてみて!



ところで、フィルムの監督、スパイク・リーは、後年、音楽業界に潜むダブル・スタンダードに言及している。ノトーリアスB.I.G.が『This Time Around』で「ニガー」という言葉を使うのを誰も気にも留めないのに、なぜ、マイケルの「カイク」は、メディア総出で大騒ぎされなくてはいけないのか。なぜいつも、マイケルだけ?そして「ニガー」はどうでもいいってこと?



日本盤アルバム
マイケル・ジャクソン ヒストリー パスト・プレズント・アンド・フューチャー ブック1
( 4988010620028 / カタログNo. ESCA 6200~6201)
1995年6月16日リリース
定価 ¥3500(税込)

オススメ指数
収録内容充実度・・・★★★★★
ジャケ買い度・・・★★★★★ オリジナルブックレット豪華。日本盤は歌詞対訳冊子も分厚い。
レア度・・・☆☆☆☆ 売れたんです。
価格・・・お手頃中古盤豊富なので1部屋に1セット常備して下さい(笑)。初期歌詞タイプが高い、とか、そういうことは別にない。
総合点・・・★★★★★★★

この日本盤、私は、95年当時、リリース初日に学校の近くのCDショップに買いに行ったと思うんですが、いやー、祭でしたね~!
「し、CDが金色っっ やっぱマイケルってすげぇなー キング・オブ・ポップともなるとCDが金色(この当時は変わった趣向のCDってまだ少なかったんですね笑)

さて、『They Don't ~』の歌詞に関してです。日本で出た初期の盤では、歌詞は訂正前のもので、オリジナルのカラーブックレットには歌詞の掲載がありませんが、対訳が載っている冊子に、英語の歌詞全文も掲載されています。そこには、たしかに「Jew me」「kike me」とありますが、対訳では、前者は「僕をユダヤ人にする」とありますが、後者は「僕を蹴る、僕を蹴る」と、韻を踏んでいる「kick me」の訳の繰り返しでごまかされています。わざとぼかしたのか、見間違えたのか??Sonyらしい・・・



最初にリリースされてから1年くらい経ったある日、「こんな素晴らしいアルバムは、一家に1セットどころか、普段用と緊急用とか、ドライブ用と家用とか、2,3セットは常備しておく必要がある」と、私は逆ギレ気味に思い立ち、同じアルバムをもう1セット、買いに行きました。そういうわけで、たまたま、今手元には歌詞を比較できる2セットの『HISTORY』があります。

US盤アルバム
Michael Jackson - HISTORY PAST, PRESENT AND FUTURE BOOK 1
( 7464590002 / カタログNo. E2K 59000 )
1995年6月16日リリース(歌詞訂正盤は96年頃から流通)
定価 当時は輸入盤新品が、日本盤の半額程度で買えたように思う。

オススメ指数
収録内容充実度・・・★★★★★
ジャケ買い度・・・★★★★★ オリジナルカラーブックレットは日本盤とほぼ同一。
レア度・・・☆☆☆☆ なんやかや言いながらも、たくさん売れたんです。
価格・・・そこそこ。もう1セット買いなさい。
総合点・・・★★★★★★★

『They Don't ~』の歌詞に関して。論争の当初、マイケル側は「Jew me」を「Do me」に、「Kike me」を「Strike me」に変更すると発表しましたが、最終的には、「Jew me」は「Chew me」に、「Kike me」は「Hike me」に置き換えられました。より、元の歌詞の音に近い言葉が選ばれたわけで、ネイティブでない耳にとっては、よーく集中して聴かないと、ほとんど同じ音に聞こえるかもしれないほど(ですが、ちゃんとしっかり変更されています)。違和感ゼロで、巧みな置き換えがなされています。

というわけで、私の手元にあるのは、たまたま歌詞違いの2セットなのですが、もしかしたら、同じカタログナンバーのなかでも、プレス時期によって両方が存在するとかいう場合がありえます。中古市場ではどういう割合で存在しているのか、謎ですけれども、とにかく時期の新しいものを買えば確実に安全な歌詞が入っていますので、耳の良いお子様のいるお宅には、プレスの新しいものをどうぞ!



あぁ・・・やっぱりこんなに長くなった(笑)。そして、マキシシングルは次回に持ち越し。今日はちょっと重い話もしてしまいましたが、次回、マキシシングルについては純粋にトラックを聴いて行きましょう。Bye!

  
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